イギリスで生息していないはずのタヌキが柵から脱走、その生態に注目が集まる

Point
■イギリスには生息していないはずの「タヌキ」が見つかり、さらに柵から脱走した
■警察は危険な生物であるとして地元住民に警戒を呼びかけた
■このニュースにより、タヌキの珍しい生態について改めて注目される結果となった
日本ではおなじみの「タヌキ」。しかしイギリスでは、その生態はほとんど知られていません。
先日イギリスのクララバラという村で、2匹のタヌキが脱走しました。「タヌキに注意しろ」という警告が、地元警察によって発されました。
この脱走劇によって、多くの人が知らないであろうタヌキの奇妙な生態が知られることとなったのです。
アライグマよりもイヌに近い
タヌキは(racoon dogs)イヌの遠い親戚であり、その名の由来であるアライグマ(racoon)よりもイヌのほうがより濃い血を分け合っています。
しかし、その特徴ではアライグマに似たものを多く持っており、イヌにはとうていできない「木を登る」といった能力もこれに当たります。
専門家によれば、この不思議なタヌキは、もともと中国や日本やモンゴル、ロシアといった地域で発見された種で、他のイヌのグループとは700~1000万年前に枝分かれしたとのこと。
ちなみに、イヌがオオカミから枝分かれしたのはわずか4万年前です。
最近になって彼らは、生息地をヨーロッパ北部の大部分にも広げていったとされますが、そこにイギリスは含まれていません。
また、彼らの容姿は季節によって異なります。タヌキは秋や冬には多くの脂肪を蓄え、厚い毛皮を身につけるために、細い足の丸っこい動物であるといった印象を与えます。
しかし、夏になれば毛皮は薄くなり、脂肪も落ちていくため寒い時期の彼らと比べて、まるで別人ならぬ「別タヌキ」なのです。
厳格な「一夫一妻制」を貫く
さらに彼らは容姿もさながら食事についても多様性を持ちます。ネズミなどのげっ歯類や、カエルを喜んで口にするだけでなく、穀物やベリーなどの果実も大好きです。フルーツを手にするために、駆け足で木に登っていくこともあります。
そして彼らの魅力的な特徴の1つは、「厳格な一夫一妻制」を貫いているということ。
タヌキが新たな相手との絆を深めるのは、現在のパートナーが亡くなった場合だけなのです。
逃げ出したペアも「愛の逃走劇」を実行したのかもしれませんね。