【良い話】迷子の赤ちゃんアザラシを救出! 果たしてふるさとに帰れるのか?

story 2019/06/25

とある保護施設に、ある日一頭のオスのアザラシの赤ちゃんが運び込まれました。

この保護施設では、傷ついたアザラシを再び海へ帰せるよう、ボランティアスタッフが24時間体制で、アザラシの保護とリハビリに取り組んでいます。

「マシュマロ」も、そうしたアザラシの中の一頭でした。

今回は、マシュマロが再びふるさとの海へ帰っていくまでの奇跡の物語をご紹介します。

1日目: 体重9キロ

マシュマロは、道端でたった一頭でさまよっているところを発見されました。

どうやら、浜辺で見失った母親を必死に探し回っているうちに疲れ果て、道に迷い込んだようです。

道端で弱っているマシュマロ

 

施設に早速運び込まれたマシュマロは、よっぽど疲れていたのでしょう。こんこんと眠りつづけました。今後2〜3日間が、彼の命にとって勝負どころです。

丸まって回復中

 

もちろん、睡眠に加えて食事も必要です。

「ぐっすり眠っているところを邪魔するのはすごく気が引けますが、マシュマロには栄養が必要です」と語るのは、ボランティアスタッフの1人であるサム・ブリテンさん。

午前8時から午後8時まで、4時間おきに1日4回の食事を与える必要がありました。

Zzz

 

サムさんはマシュマロに餌を与えやすいように、お腹を下に向けます。

マシュマロの口には生えかかったばかりの小さな歯の芯が…。このことは、彼が少なくとも数週間は早く、未熟な状態で生まれたことを物語っています。

小さな歯がみえる

 

嫌がるマシュマロの口元に、サムさんはチューブをそっと入れ、流動食を流し込みます。

鼻先から生えたヒゲが、とてもか細く短い様子が見て取れます。マシュマロは本来、まだまだ母親の子宮の中で育てられているべき成長段階にあるのです。

 

人間の赤ちゃんと同じように、食事中以外はたっぷり睡眠をとるマシュマロ。回復は順調ですが、まだまだ予断を許さない状態です。

加熱ランプを当てて、温かく過ごせるように環境を整えてあげます。

3日目: 体重9キロ

救出から3日目。マシュマロはよく動き、だんだん鳴き声もさかんに発するようになりました。

13日目: 24パウンド

体重も少し増え、少しずつ体力を取り戻してきたマシュマロは、水槽付きの小屋の中へ移されました。

小屋の中には温熱マットが敷かれ、以前よりも自然に近いかたちで過ごすことができるように工夫が施されています。

いずれ帰るべき野生の世界に今のうちから慣れておく必要があるからです。

ちょっとでかくなった?

18日目: 体重13キロ

チューブによる流動食でさらに体重が増えたマシュマロ。次はいよいよ、自分自身の力で獲物を捕まえる術を学ばなければなりません。

施設では、「フィッシュ・スクール」と呼ばれる特別レッスンが行われます。

いろいろと吸収中

 

フィッシュスクールでは、アザラシのいる水槽の中に、糸を付けた魚を浮かべます。そして、水中で魚をゆらゆら揺らして、アザラシが魚に興味を持つように仕向けます。魚に噛みつかせることで、生まれながらに備わっている狩猟本能を引き出そうというわけです。

いでよ狩猟本能〜

でもどうやらマシュマロ本人は、魚よりもボランティアスタッフの行動の方に興味津々。なかなか魚に関心を持ってくれません。

33日目: 体重14キロ

感動の瞬間が訪れました。マシュマロが初めて自分から水槽に入り、水中の魚を自分で捕まえて食べたのです!

どや。

自分で獲物を捕まえて食べることを覚えたら、もうしめたもの。今後の成長にさらに期待が高まります。

40日目: 体重21キロ

マシュマロの体重は、保護された時の倍以上にまで増えました。次は、屋外で他のアザラシたちに混じって獲物を捕る訓練が待っています。

マシュマロ、外の世界へ…

 

他のアザラシと獲物を巡って競争する厳しさを学ぶのです。また、社交性などの、生きていく上でのいくつかのスキルも身につけます。

 

他のアザラシと比べても確実に多く体重を増やしたマシュマロに、サムさんも一安心。ライバルたちに負けること無く、元気いっぱいたくさん魚を食べることができたようです。

84日目: 体重35キロ

ついに、マシュマロが海へ旅立つ日がやってきました。

寂しいけれど、いつまでも人の手で守り、施設の中に閉じ込めておくわけにはいかないのです。本来あるべき場所に戻す…そこまでが、ボランティアスタッフの使命です。

涙ぐむ飼育スタッフ

 

ついにマシュマロは、たくましく大海原へと帰っていきました。これまでマシュマロのリハビリに情熱を注いできたボランティアスタッフの感慨はひとしおです。

 

「今も元気でやっていることを心から願っています」と語るサムさんの表情には、まるでわが子の自立を静かに見守るような優しさがあふれていました。

マシュマロ、またね。

 

reference: thedodo / written by まりえってぃ

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