超能力!? 触るだけで人を癒すセラピューティングタッチとは

spirituality 2019/08/07
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古代より病を治癒する力があると信じられてきた「セラピューティングタッチ」ですが、現在に至るまでその根拠はあいまいなものばかりでした。

しかし今日、そのミステリアスな力はヘルスケアのエキスパートたちによって見直されつつあります。研究の中には施術によって生理学的な変化が確認され、ハンドパワーに痛みを除去したり、不安を減少させる力があると結論づけるものがあるのです。

「超能力」ではない

それは患者による思い込み、いわゆるプラセボ効果によるものだと反論する人もいるもしれません。しかし、ニューヨークの大きな病院が最近実施した実験では、そのプラセボ効果を考慮に入れてもその力が本物であることが実証されたといわれています。

つまり、この実験は被験者に対してどんな効果を実証するのか知らせずにおこなわれたため、プラセボ効果を生み出す余地がなかったということです。

また他の研究では、興味深い事実が示唆されています。なんと、生理学的な変化を与えるハンドパワーを実施する人には、特別な力や才能は何一つ必要ないとのことなのです。

必要になるのは、施術をおこなうために必要な情報と、テクニックを用いるための適切な訓練だけだというのです。

こうしたことから、ハンドパワーがいわゆる「超能力」とは大きく異なっていることが分かります。超能力はその名が示すとおり、施術者には普通の能力を「超えた」能力が要求されるものです。

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つまり、ハンドパワーが生み出す効果はミラクルによってもたらされるものではないのです。そのため、もちろん施術には限界もあります。この治療の第一人者の1人であるジャネット・クイン博士は、「(ハンドパワーによって)人が松葉杖を必要としなくなるわけでも、ガンを取り除けるわけでもありません」と語っています。

彼はさらに、「セラピューティック・タッチ(手当て療法)は治療のためではなく、改善のためのメソッドなのです」と語っており、これが、あくまでも伝統的な療法の補助的な役割を担っていることを説明しています。

セラピューティック・タッチについて15年間の研究を重ね、そのノウハウを多くのエキスパートたちに伝えてきたニューヨーク大学のドロレス・クリーガー博士によれば、このメソッドは患者自身の自己治癒プロセスを加速させるものであるとのことです。

こうして、いわゆるハンドパワーについての研究が進んだとはいえ、現時点でもその根拠は完璧で十分なものとはいえません。クイン博士いわく、セラピューティック・タッチの臨床活用は広くおこなわれるようになりましたが、それがどうして効果的なのかについての理解は、必ずしも浸透しているわけではないとのことです。

たとえばセラピューティック・タッチは、産婦人科にて未熟児の呼吸困難を改善するために用いられることがあります。その際、医師が看護師に対してこの処置を命じますが、それはエビデンスレベルが低いことが分かった上での指示であり、クイン博士はこうした状況を改善するためにも、さらなる科学に基づいた研究の必要性を感じています。

重要なのはコンセントレーション(集中)

セラピューティック・タッチの実践は、施術者のコンセントレーション(集中)に始まります。これはつまり、施術者が自らのエネルギーにフォーカスして、患者の治癒を助けようとする意思を高めるということです。

コンセントレーションが終われば、10~15cm患者から離れた場所に手をかざし、頭からつま先までをスキャンすることで、患者の状態を探ろうとします。

患者のエネルギーが超過している箇所があれば、手はそのことを感知できるようであり、そのエリアが緊張や病が蓄積した場所であるということになります。症状を緩和させるためには、その場所に溜まったエネルギーを別の場所へと分散させてあげなければなりません。

クイン博士はある実験によって、コンセントレーションの重要性を実証しています。60人の心臓に問題を抱える患者に対しておこなったこの実験では、施術者は2つのグループに分けられました。

1つのグループの施術者には、患者に手をかざすときに「癒やすこと」にフォーカスするよう伝えられ、もう一方のグループには、単に「100から7を引き続ける計算を頭の中でおこなうこと」が指示されました。

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その結果、「癒やすこと」にフォーカスしたグループに施術を受けた患者のほうが、もう一方のグループよりも非常に高いレベルの不安感の減少が確認されたのです。

また、患者に手をかざすことによって、エネルギーが転移しているといった説は古くから伝えられてきたものです。そのエネルギーは、昔からインド思想の中で語られている、サンスクリット語で呼吸、息吹などを意味する「プラーナ」に他なりませんが、最近の研究でもその存在が認められつつあります。

マギル大学の生化学者バーナード・グラッド博士は自身の研究の中で、肉体的な接触がなかったとしても、手をかざすだけでマウスの傷の治癒が早まったり、植物の成長を促すといった例を示しています。

そして、施術者がマウスや植物に直接触れてはいないことから、グラッド博士は、この結果がエネルギーの転移によって引き起こされたと結論づけているのです。

本当にそこでエネルギーの転移が起こっているのかは定かではありませんが、クイン博士はこれについて、「単にメカニズムが分からないといったことは、この技術を無視できる要因にはなりません」と語っています。

研究が前進しているとはいえ、まだまだ謎に包まれている部分も多い「ハンドパワー」というメソッド。あなたがそこに感じるのは「うさんくささ」ですか?それとも「治療としての可能性」ですか?

いずれにせよ、これから先の研究に期待したいところです。

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reference: dimajadid / written by なかしー

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