つい暗いニュースを見てしまう理由は「3つの認知バイアス」にあった

psychology 2019/11/26
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私たちの目や耳には毎日たくさんのニュースが飛び込み、中には暗いニュースも多くあります。それらに触れるたび、「この世はとんでもない事態に陥っているのではないか?」と不安を募らせる人も少なくないでしょう。

ですが、ニュースを通して得た情報は、心の健康に大きく影響します。そこで重要なのが、暗いニュースがどのようにして認知バイアスに作用し、悪い事柄にばかり注意を向けさせているかを知ること。

実は、暗くてネガティブなニュースによって活性化してしまう認知バイアスがあるのです。

今回は「ネガティブな情報に触れるほど更にネガティブな情報を求める」という悪循環を断ち切る方法を探ってみたいと思います。

ネガティビティ・バイアス

ネガティビティ・バイアスとは、人がポジティブな出来事・情報・感情よりも、ネガティブな出来事・情報・感情に注意を向けやすく、記憶に残しやすいことを示す用語です。

生物学的には、危険が差し迫った場面でのネガティビティ・バイアスは理にかなっています。生物が生き抜くためには、目の前のリスクやトラブルに注目することが何よりも重要だからです。

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ところが現代社会では、ネガティビティ・バイアスを、人々の注意を引く手段として利用することがあります。メディアが戦争や強盗といった悪いニュースを特に強調して流すのはこのためです。視聴者がネガティブな情報を求めるだけでなく、メディアもまたより多くのネガティブなニュースを提供しようするため、その効果は倍増します。

アベイラビリティ・バイアス

アベイラビリティ・バイアスとは、あるトピックを考える時に最初に思い浮かんだ事例を過剰に重視する傾向のことです。最近遭遇した情報や着目した事柄に、人の心はつい引きずられるものです。

もしあなたが地元で起きた強盗事件についてのニュースを目にした直後に、地元の町が抱える問題について尋ねられたとしたら、「近頃は強盗が大きな問題になっている」と答えるかもしれません。たとえ町で強盗事件が起きることなんて滅多になかったとしても、です。

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絶えずネガティブなニュースに晒されていると、脳は悪い出来事ばかりを記憶し、そう頻繁には発生しない出来事があたかも通常時を代表する出来事であるかのように感じはじめます。

認証バイアス

認証バイアスとは、自分がすでに信じている仮説を裏付ける情報を積極的に探し、記憶し、好む傾向のことです。もしあなたが地元でよく強盗事件が起きていると確信していたとしたら、きっとそのことを裏付けるデータに飛びつくはずです。このように、人は自分の仮説に好都合な情報に選択的に目を向け、不都合な事実は無視します。

さらに規模を大きくして、あなたがこの世は恐ろしい場所だと信じ切っているとしましょう。認証バイアスが働いたあなたの脳は、この世が恐ろしい場所であることを裏付ける戦争やテロ、汚職や事故の情報にのみ目を向け、反対にこの世が捨てたものではないことを示すポジティブな情報は遮断することでしょう。

負のスパイラルを絶つには

これらの3つのバイアスが組み合わさると、もう大変です。私たちは自らネガティブな情報を求め、誇張し、強化するようになります。

ネガティビティ・バイアスの絶ち方

最初はネガティビティ・バイアスによってネガティブなコンテンツを好んで消費し、次にアベイラビリティ・バイアスによってそれを過剰に重視し、最後に認証バイアスによってそれを反証する情報を遮断してしまう…。まさに悪循環です。

この悪循環を断ち切るには、何よりもまずネガティビティ・バイアスの影響を弱めることが必要です。つまり、ネガティブな情報の摂取を根本から制限するのです。もちろん、ネガティブなニュースの摂取を一切止めるわけではなく、一日に何時間もこうした情報に自分を晒し続けることを止める、という意味です。

また、ニュースに接する前後に、そこから本当に学ぶ(学んだ)ことがどれほどあるかを自問してみましょう。すると、すでに知っている事柄を単に再確認している場合がほとんどであることに、あなたは驚くはずです。そうした情報は対してあなたの役に立ってはいないはずです。

怒りや憤りを感じたら、ニュースを一旦切ってしまうのも一つの手です。できることなら、週刊ニュースだけをチェックすることにして、気持ちがどう変化するか試してみるものいいでしょう。

アベイラビリティ・バイアスの絶ち方

次に、アベイラビリティ・バイアスですが、その効果を中和するには、ネガティブな情報を文脈に当てはめてみることが大切です。悪い出来事は日々起きるものですが、だからといって人生やこの世そのものが悪い、あるいは悪化するという意味にはなりません。

ネガティブな統計データや災害のニュースに接した時、それを単なる不幸なニュースとして片付ける代わりに、それらが単独のデータ点なのか、より大きな風潮の一部なのかを考えてみましょう。そうすることで、新しい情報をより客観的に蓄積することができ、後々にそれを参照する際により公平な視点を持つことができます。

認証バイアスの絶ち方

最後は認証バイアスです。これを絶つには、自分の信条の出どころを時系列的に追ってみると効果的です。つまり、「現在の自分の意見はいつ獲得したどの証拠に基づいているか?」と自問するわけです。

たとえば、悪質な犯罪についての記事を複数目にした直後に、あなたは地元の町の治安が悪化していると感じるかもしれません。でも、あなたはこの考え方を裏付ける本物のデータを実際に吟味してみたでしょうか?

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「私が間違っている可能性はないだろうか?」と自問することは、どんな場面においても重要です。いつも自分自身に対して批判の眼差しを向け、ネガティブなニュースにまんまと飲み込まれないようにしましょう。

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reference: psychologytoday / written by まりえってぃ

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