眠れなくて辛いのは睡眠障害かも?睡眠障害の原因と治療法

psychology 2020/03/01

眠れない日が続いていませんか?

日本人のおよそ5人に1人が抱えていると言われる不眠。熟睡できないことが続くと、精神的・身体的な力が衰え、翌日の生活にも影響します。

この記事では、睡眠障害の原因や治療法にについて詳しく紹介しています。

睡眠障害とは?

健康のためにとても重要な役割を持つ睡眠。よく眠ることは、心や身体の疲労回復をもたらし、翌日の仕事や学業のパフォーマンスを高めてくれます。

しかし睡眠障害に罹ると、十分に眠れなかったり過度に眠ってしまったりします。睡眠の異常が続くと、集中力不足などから生活に支障をきたしてしまうことも。

睡眠障害は以下の種類に分けられています。

  • よく眠れない不眠症
  • 眠りすぎてしまう過眠症
  • 睡眠リズムが狂ってしまう概日リズム睡眠障害
  • 睡眠時の呼吸問題が生じる睡眠呼吸障害
  • 睡眠時の異常な身体反応を伴う睡眠関連運動障害

原因

では、睡眠障害の発症メカニズムはどういったものなのでしょうか。

睡眠障害の原因として、ストレスや、からだの病気やこころの病気に伴うもの、生活リズムの乱れ、薬や刺激物などがあります。以下でそれぞれ説明します。

ストレス

ストレスは、睡眠障害を引き起こす一要因。特に神経質で真面目な人ほど、ストレスを受けやすく、睡眠障害に陥りやすいようです。

からだの病気

高血圧や心臓病、呼吸器疾患、腎臓病、アレルギー疾患などのからだの病気は、不眠の一要因になります。

こころの病気

眠れないのは、もしかしたら心の病気からかもしれません。最近は、単なる不眠だと思っていたら、うつ病だったという患者さんもいます。

生活リズムの乱れ

海外出張や旅行の際に生じる時差や、夜間の交代制勤務は、体内リズムの乱れや不眠を引き起こしてしまいます。特に、医者や看護師など、夜間も働いていている方は、どうしても睡眠リズムが狂ってしまいます。

薬や刺激物

不眠をもたらす要因として考えられる薬や刺激物。特に降圧剤や抗がん剤などは、睡眠に影響を及ぼすと考えられています。

また、コーヒーや紅茶に含まれるカフェイン、たばこに含まれるニコチンは、覚醒作用を持ち、安眠を妨げます。

症状

次は詳しい症状を探っていきましょう。

睡眠障害の不眠症や過眠症は、ぞれぞれどのような症状があらわれるのでしょうか。

不眠症

不眠症は、睡眠不足や注意力の低下、疲れなどの体調不良が起こるものです。

この不眠症は、入眠困難や中途覚醒、早朝覚醒、熟眠障害の4つの症状に分けられます

床についてもなかなか眠れない入眠困難や、いったん眠りについても夜中に何度も目が覚める中途覚醒。

そして、通常の2時間以上前に目が覚める早朝覚醒や、眠りが浅く熟睡した感じがしない熟眠障害が生じます。

これら4つの症状は、寝ているときに複数同時に現れることも。

不眠症が続くと、眠れないことに過度の恐怖を覚え、眠ろうと過度に努力してしまいがちです。

しかしその結果、体が緊張し、安らかな睡眠をとれなくなるといった負の悪循環が続いてしまいます。

過眠症

過眠症とは、夜眠っているにもかかわらず、日中強い眠気のため起きていることが難しいものです。

これは、ナルコレピシーや特発性過眠症、反復性過眠症の3つの症状を含みます。

ナルコレプシーは、日中の眠気や短い居眠りが繰り返し生じるもの。居眠りから目覚めた後、一時的にすっきりするのが特徴です。

昼間に1時間以上と比較的長い居眠りが続き、目覚めた後すっきりできないのが、特発性過眠症。

強い眠気が数日から数週間続くのが、反復性過眠症。その後、眠気が自然に回復したかと思えば、また不定期に繰り返し出現します。

概日リズム睡眠障害

朝に陽の光を浴びて起床し、夜には日が沈んで床につくというリズムに沿って、人は行動しています。その生活リズムがずれ、睡眠に異常が生じるのが、概日リズム睡眠障害。

つまり概日リズム睡眠障害は、昼夜のサイクルと概日リズムが合わなくなるもの。

夜遅くまで眠れない、朝に起床できないといった、睡眠相後退症候群が代表的です。

さらに、海外旅行や出張で生じる時差ぼけや、夜間勤務による交代勤務制睡眠障害もあります。

睡眠呼吸障害

睡眠呼吸障害は、睡眠中に異常な呼吸を示すものです。夜中に何度も呼吸が止まる、睡眠時無呼吸症候群が代表的です。

この障害をもつと、睡眠中の呼吸が抑制されることで、眠りが浅くなったり、大きないびきがあったり、息苦しくなったりします。さらに熟睡感がなく、起床時にも眠気やだるさが残ります。

睡眠関連運動障害

身体的な症状から夜中の安らかな眠りが妨げられる、睡眠関連運動障害。

主なものに、むずむず脚症候群と周期性四肢運動障害があります。

むずむず脚症候群は、脚の異常感覚によって、夜中に熟睡できない症状。

周期性四肢運動性障害は、素早い収縮を伴うミオクローヌス様の不随意運動が繰り返し出現し、夜中の不眠や日中の過眠が生じるものです。

そのほかにも、夜中の歯ぎしりなどが含まれます。

罹患率

睡眠障害には、どのくらいの方が罹るのでしょうか。不眠症と過眠症、概日リズム睡眠障害、睡眠呼吸障害、睡眠関連運動障害、それぞれの罹りやすさを見ていきましょう。

不眠症

日本で成人の約21.4%が、不眠に苦しんでいると言われます。この不眠は、男性よりも、女性に多く見られるとのこと。

不眠は、20〜30代に始まることがほとんど。さらに中年以降で急激に増加し、40〜50歳でピークになります。小児期や青年期の不眠症は稀です。

その背景として考えられているのが、睡眠リズムやストレス。

睡眠を促すホルモンであるメラトニンが、年齢を重ねるごとに低下していくことも、理由の一つと考えられています。

過眠症

ナルコレプシーの有病率は、日本では約2000人に1人。

男女の疾患率の差はほぼなく、日本人の疾患率が他の国と比べて高いとのこと。

10代から20代前半の若い時期に発症することが多く、特に10代半ばがピークです。

概日リズム睡眠障害

睡眠相後退症候群は、幼少期または思春期に発症し、成人期前後になくなる場合もあります。

日本の成人の約0.13%が発症し、思春期には7%の発症率に達するといわれます。

若い時期に発症しやすいことが分かりますね。

睡眠呼吸障害

男性、特に中年に多く見られるのが、睡眠無呼吸症候群。人口の約1%が、この病気に当てはまると言われています。

「現代病」とも呼ばれるほど、多くの方に見られる、睡眠無呼吸症候群。しかし、症状があるにも関わらず、見過ごしてしまっているのが現状です。

睡眠関連運動障害

むずむず脚症候群の罹患率は、日本では約1〜2%だと言われています。欧米などでは、約5〜10%と言われ、日本人は罹患率が比較的低いとのこと。

治療・対策

睡眠障害に罹ったら、どのように治療を行っていけばよいのか、それぞれ症状ごとに見ていきましょう。

不眠症

眠れないという症状で困っているときには、医師とともに不眠の原因を考えていきましょう。

不眠症の背景に、うつ病などの心の病気が隠れている場合が少なくないからです。

睡眠障害しかない見当たらないときでも、気分や思考、不安などについても明らかにしていきます。

不眠の原因を特定したら、睡眠の正しい知識を身につける教育を行っていきます。

例えば、不眠症を持つ患者さんは、「今日も寝れなかった」と眠れないことにネガティブな認知を持っていることがあります。

しかし年齢とともに、睡眠時間は短くなるもの。眠れていないと思い込んでいても、客観的には十分に眠れていることも。

患者さんの考え方の偏りを変え、不眠の原因となる睡眠環境や生活リズムを整えていきましょう。

場合によっては、医師と話し合いのもと、睡眠薬による治療を同時に行っていきます。

過眠症

過眠症の治療の中心となるのは、薬物治療。

脳の覚醒・睡眠中枢の異常が、覚醒能力の低下に関わっていると考えられているため、脳を覚醒させるような薬が用いられます。

過眠症に対しては、ベタナミンや、メチルフェニデートといった薬が代表的です。

また、夜中の睡眠環境を見直したり、改善したりすることも効果があります。

概日リズム睡眠障害

睡眠相後退症候群によって、就寝や起床が遅れてしまうときには、徐々に起床時間を早め、朝の明るい光を浴びるようにすると効果大。

さらにカウンセリングによる、生活習慣の是正も重要です。

場合によっては、メラトニンを使った薬物治療や、光を当てる高照度光療法などが行われます。

希望する就寝時刻の約4〜5時間前に、睡眠ホルモンであるメラトニンを服用することで、概日リズムを調整できると報告している研究もあります。

睡眠呼吸障害

睡眠無呼吸障害の治療には、毎日の生活習慣を見直すことが大切です。

肥満の人は痩せることで、上気道の狭まりを抑え、無呼吸が起こりにくくなります。

無呼吸の原因と考えられるアルコールなどを避けることも必要でしょう。

さらに症状が軽度の場合には、うつ伏せや横向けで寝ることや、マウスピースの利用も効果があると分かっています。

必要に応じて医師と相談のもと、扁桃腺・アデノイドを取る手術が行われる場合もあります。

睡眠関連運動障害

睡眠関連運動障害には、生活習慣の改善と薬物治療が効果的。

カフェインやアルコール、ニコチンを避け、鉄分不足を解消することが大切です。

同時に薬物を投与することで、睡眠関連運動障害は、9割以上改善できるとのこと。

自身の生活習慣を見直し、医師との相談のもと、治療方針を決めていくことが重要です。

まとめ

寝れないことは、とても辛いことですよね。眠れないことが続くと、さらなるストレスを生んでしまいます。

不眠に陥ると、どうしても眠れないことで、ぐるぐると悩んでしまいがち。

眠れない、眠りすぎると苦しんでいるのなら、一人で悩まずに、一度病院に行ってみてくださいね。

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references: 厚生労働省「みんなのメンタルヘルス」 / written by Cocology編集部
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