心と性別が違う?「性同一性障害」を知るための基礎知識

psychology 2020/03/19

近年まで精神疾患として考えられてきた、性別と心が一致しない性同一性障害。

2018年にはWHOが、性同一性障害を精神疾患の分類から外したことで注目されています。

今回は性同一性障害について説明します。

性同一性障害とは?

本来持って生まれた性別と、認知している性別が異なることを、性同一性障害と呼んでいます。

性別といえば、男と女の2つに分かれると考えるでしょう。確かに生物学的な性別は、男と女の2つしかありません。

しかし、性別をどのように知覚するのかというアイデンティティーも同時に考える必要があるのです。

症状

性同一性障害に陥ると、どのような症状が生じるのでしょうか。

性同一性障害の患者さんは、女性もしくは男性らしい体つきになることに嫌悪感を覚えたり、本来の性別とは反対の性別になりたいと強く願ったりします。

そのことから、生物学的には女性として生まれても、男性のような姿格好や言葉遣いをしたがったり、男性の好む趣味や行動を始めたりします。

また、近年LGBTQという同性愛者の増加が見られますが、性同一性障害はそれとは異なります。

根本的な違いは、性同一性障害の方は、自分の性別が何なのかというアイデンティティーを、本来の生物学的な性別とは違うものと思っていること。LGBTの方は、同性を好きになるというだけで、性別の認識の違いは見られません

原因

では、性同一性障害にはどういう原因が考えられるのでしょうか。

生まれ育った環境ではなく、妊娠中のアンドロゲンの過剰分泌が性同一性障害の原因になるといわれています。

身体の性が決定するとき、性染色体がXYだと男性、XXだと女性になります。

身体の性決定がなされた後に、胎児は、母体でアンドロゲンホルモンを大量に浴びます。その際の、アンドロゲンの一種であるテストステロンの異常分泌が、心と身体の性別の認識の違いを産む原因ではないかと言われています。

罹患率

日本では、約46000人以上の方が、性同一性障害だと推定されています。

小学校から高校には、性同一性障害の生徒が、少なくとも600人以上在籍しているとのこと。実際にはもっと多くの子どもが、性同一性障害に該当するのではと考えられます。

治療法

性同一性障害に対する治療法を見ていきましょう。

性同一性障害における治療法は、精神的サポートなどの精神的な治療と、ホルモン治療などの身体的な治療です。

カウンセリングなどの精神的な治療によって、心と身体の不一致からくる精神的な苦痛に対するサポートを行ったり、周囲の人との付き合い方や社会の中での適応力を向上させたりします。

性同一性障害の方は、周りと違うことでいじめを受けたり、心無い言葉を浴びせられたりしやすいものです。その結果、うつ病を引き起こしてしまうこともあるので、精神的なサポートは重要です。

身体的な治療では、本人の希望に応じて、生物学的な性別を望んでいる性別に変化させるために、女性ホルモンや男性ホルモンを投与したり、生殖器を摘出する性別適合手術や乳房摘除手術をしたりします。

まとめ

性同一性障害の人は、性別と心の不一致から、どうしてもストレスを感じやすいものです。

もし周りに性同一性障害の方がいれば、彼らの気持ちをまずは想像し、慮ることが重要かも知れません。

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references: 厚生労働省「みんなのメンタルヘルス」 /written by Cocology編集部
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