ペットに触れるだけで心理的効果を発揮するアニマルセラピーとは

psychology 2020/04/01

猫や犬、うさぎ、ハムスターなど動物に触れ合うことで心が落ち着いたり、癒やしを感じた経験はありませんか?このような動物を通じて癒やしを得ることを「アニマルセラピー」と言います。

その効果は単に心を落ち着かせるだけでなく、治療の一貫として人間の心身にポジティブな効果をもたらすことが様々な研究によって明らかになっています。

今回は、そんなアニマルセラピーの心身へ与える効果について、詳しくご紹介致します。

医療や介護現場で活躍するアニマルセラピー

アニマルセラピーとは本来、動物が医師を通して患者の機能向上の手助けをすることが目的で行われるものです。「アニマルセラピーは動物たちと触れ合って癒やしを感じるもの」と考える方が多いようですが、癒やしだけでなく治療としても活用されています。

ある研究では、動物と触れ合うことで神経伝達物質の「エンドルフィン」が作り出されることがわかりました。エンドルフィンは多幸感を呼ぶ脳内ホルモンとしても知られており、高揚感や満足感、気持ちよさといった感情を高める効果を持っています。

エンドルフィンが分泌されることで神経系にある「オピオイド受容体」を活性化させ、鎮痛作用をもたらします。

モルヒネを含むオピオイドの効果を利用した鎮痛剤には中毒性や副作用があります。効果の大きさは違うものの、同じ鎮痛作用でもアニマルセラピーによる治療は心身への負担がより軽いと言えるでしょう。

実際に日本アニマルセラピー協会では、国立病院の緩和ケア病棟を訪問し、患者のリハビリの手伝いや痛みの軽減などにおいて実績を挙げています。

ペットを飼うことによるポジティブな心理的効果

アニマルセラピーの効果を調べたある研究では、動物と触れ合うことでストレスや不安感の解消、心の安らぎをもたらすことがわかりました。

この効果は心身に病を患っていない場合も適用され、ペットと遊んだり触れ合うことでもポジティブな効果があることが明らかになったのです。

また、ワシントン州立大学の研究では、高いストレスを抱える249名の生徒を対象に、ペットによる効果で、ストレスホルモンであるコルチゾールのレベルにどのような変化があるかを調べました。まず、生徒を以下4つのグループに分けました。

  • 1. 10分間、犬や猫と触れ合ったグループ
  • 2. 10分間、犬や猫と触れ合っている様子を眺めたグループ
  • 3. 10分間、犬や猫の写真を眺めたグループ
  • 4. 10分間、何もしなかったグループ

そして、覚醒時・実験の後の10分後・25分後の体内のコルチゾールのレベルを調べました。その結果、実際に犬や猫と触れ合ったグループのコルチゾールの量が、他のグループと比較して激減したことがわかりました。

つまり、短い時間でも動物と触れ合うことでストレスを軽減させることができるのです。

アニマルセラピーで活躍できる動物はふわふわした動物だけじゃない

犬や猫、ウサギなどの毛がふわふわして柔らかい動物がアニマルセラピーで活躍していると想像する方が多いと思いますが、カメや魚、トカゲなどもストレス軽減などの効果をもたらすことがわかっています。

2003年に公開された研究では、病気を抱えていない58人を対象に、どのような動物に触れ合うことでストレスレベルが下げられるかを調べました。まず、58人には「この後タランチュラ(毒蜘蛛)を手に持ってもらいます」と伝えてストレスレベルを上げました。

その後、数人をウサギがいる部屋に、別の数人をカメのいる部屋に入れ、残りの人たちは何もせずそのままで待機してもらいました。

その結果、ウサギとカメの部屋にいた両グループは、タランチュラのことをずっと考え動物に触れ合う機会がなかったグループに比べて、ストレスと不安感の軽減がみられたのです。

つまり、アニマルセラピーの効果は、動物の柔らかさやふわふわとした毛並みが関係しているのではなく、一般的に人間と動物とのつながりや親和性が関係していることがわかりました。

自分に合った方法で動物たちとのふれあいを持ってみて

今回は、アニマルセラピーの心身に与える効果について詳しくご紹介しました。医療や介護の現場だけでなく、家庭で飼っているペットや動物園・水族館での動物とのふれあいでも、ストレス軽減をはじめとした嬉しい効果を得ることができます。

「犬や猫を自宅で飼えない」「なかなか動物園や水族館に行けない」という方は猫カフェの利用や、水槽で魚を飼うなどがおすすめです。自分に合った方法で、動物とふれあい、癒やしを感じてみてくださいね。

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