自分の中の厄介な感情に気づくための4つの要素「STUF」とは

psychology 2020/05/21
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罪悪感を感じているときや、錯乱状態のとき、怒っているときなど、人は「自分はどんな感情を抱いているのか」をすぐに把握することがなかなかできません。

例えば、「なんだかモヤモヤする」というように気分を説明することができても、その胸の重みの元になっている感情が悲しみなのか、寂しさなのか、不安なのか、明確にするのは簡単なことではないでしょう。

自分の感情に目を向けることは、自分自身や他者の気持ちの理解に繋がり、また人間関係を良好に構築する上で大切なことです。

さらに、複雑に絡み合った感情や、頭も心も支配されてしまうほどの強い感情にしっかりと目を向け、丁寧に紐解いていくことで、適切な対処法や自分がどうしたいかがわかるようになります。

今回は、複雑な感情に目を向けるための4つの要素と、その必要性についてご紹介します。

複雑な感情を伴う経験を構成する4つの要素

人が複雑で強い感情を抱くとき、4つの要素がその経験を構成しています。心理学者のジョエル・ミンデンによると、Sensation(感覚)、Thoughts(考え)、Urges(衝動)、Feeling labels(感情のラベリング)の頭文字を取って「STUF」と呼びます。

Sensation(感覚)

身体的な反応は、感情を明確にする上で必要な要素の1つです。例えば、バクバクと早い心拍数や息が荒い状態は、不安を抱いていることを示します。また、手足が重たく感じたり、頭痛がする状態は、落ち込みやうつのサインです。

フィンランドで行われたある研究では、ヨーロッパ系からアジア系までさまざまな人種の700人を対象に、感情に伴う身体的な反応について調べました。その結果、人種や住む場所に関係なく、人はみな身体的に同じように感情を感じることがわかったのです。

具体的には、恐怖や不安は胸に反応がある一方、怒りは胸の中心や頭、こぶしに反応が現れる傾向にあります。さらに、愛情は胸、頭、お腹など全身のほとんどで反応することがわかりました。

Thoughts(考え)

過去に経験した挫折や、自分自身あるいは他人がかけた制限、「未来で何か悪いことが起こるかもしれない」という考えは、悲しいときやイライラしているとき、もしくは不安を感じているとき表れやすい思考です。

Urges(衝動)

衝動とは、「何かをしなくてはいけない」あるいは「何かをしてはならない」と感じることです。悲しいときや何かに絶望感を覚えているとき、特定の行動をやめようとしたり、電源が切れたように動かなくなる状態が衝動的に出てきます。

不安を抱えているときや人からの評価が心配なときに、居心地の悪いその場から立ち去りたいと思う衝動もその1つ。また、「複雑な感情なんか感じていたくない」という際、アルコールを摂取したくなる衝動もわかりやすい例です。

Feeling labels(感情のラベリング)

感覚・考え・衝動の情報を集めた上で、それがどういった感情なのかを考え、それらに名前をつけます。

例えば、心拍数が上がっていて、呼吸を整えることが難しいとき、「不安やイライラした気持ちを抱えている」と考えることができます。

しかし、ちょっとしたエクササイズをして同様の状態になった際、内面の感情として「元気が出てきて気持ちが良い」と感じるでしょう。

また、大学以来会っていなかった友人に会う際、身体的な反応から「楽しみでドキドキしている」「興奮している」と感じるはずです。

つまり、身体的な感覚・さまざまな異なる考え・衝動的な振る舞いを合わせることで、自分の感情がどういったものかを分析することができるのです。

なぜ自分の感情に目を向け、明確にする必要があるのか?

「どういった感情かは正確にはわからないけど、胸が重たくてモヤモヤする」といったように、なんとなく自分がどんな気分かを把握し、楽になるために必要な行動を取る。これだけでは、十分に対処できない、あるいは根本的な解決につながらない場合があります。

例えば、イライラしたときに枕を殴ってストレス発散する、気分が沈んでしまうときに何も考えずに何キロもランニングする。

これらの方法は有効ではありますが、時と場所を選びます。会社や学校にいるとき、子どもや恋人と一緒にいるとき、また旅行先では難しいでしょう。

また、感情的に緊迫した状態で選ぶ対処法は、適切ではない場合があります。自分の感じるままに衝動的に反応することを続けると、一日中ベッドで寝込んだり、感情が溢れてしまうのは時間の問題です。

それらを避けるために、先述した4つの構成要素を考え、冷静に分析し、自分の本当の感情や気持ちに目を向けることが大切なのです。

感情に目を向けることで本当の気持ちに気づく

今回は、複雑な感情に目を向けるための4つの要素と、その必要性についてご紹介しました。自分の本当の気持ちは、複雑な感情の中に隠れてしまうことがあります。

例えば、ある人の言葉がきっかけで怒りを覚えた場合、心の奥には「ないがしろにされた気がした」「否定された気がした」という本当の気持ちが隠れている場合があるのです。

ご紹介した自分の感情に目を向ける方法で、より自分を深く知り、なりたい自分に近づくための参考にしてみてください。

感情をコントロールするためのテクニック「60秒アプローチ」

reference: psychologytoday(1, 2), Prevention/ written by Cocology編集部
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